北海道・十勝にあるとかちアークキッチンは、山忠グループの就労支援A型事業所として、障害のある方とともに地域の農産物を加工し、全国へ届けています。旬の野菜を急速冷凍し、飲食店や小売に供給するために、デイブレイクのアートロックフリーザーを導入。今回、導入の決め手や活用方法、今後の展望について、製造・販売マネージャーの佐藤 修様に伺いました。
ーーーー冷凍技術の活用を始めた背景を教えてください
当社は、障害者就労支援A型事業所として、障害のある方と一緒に働いています。主に、地元・北海道十勝の農家さんと直接契約した農産物──ジャガイモ、玉ねぎ、かぼちゃなどを仕入れて、一次加工と冷凍を行い、首都圏をはじめとした全国各地へ出荷しています。北海道・十勝の野菜を、東京や産地から離れた地域でも鮮度がいいまま販売しようとした時に、生野菜のままだと日持ちしません。そこから、冷凍を考えるようになりました。
東京営業所の担当者がアートロックフリーザーで凍結テストをし、食感や風味が損なわれないことが確認できたことで導入が決定しました。野菜は水分量や繊維が多く冷凍すると食感が変わりやすいイメージがありますが、アートロックで冷凍したものは、生と変わらないとまでは言えないものの、「鮮度は十分保たれている」とお客様に評価していただいています。たとえばアスパラは、カット・加熱してから凍結して出荷しており、収穫期が短い食材ですが、冷凍することで通年提供を実現しています。

ーーーーアートロックフリーザーの操作性は現場ではいかがですか
アートロックフリーザーは、LEDの色で状態が一目でわかります。青は冷却中、白は完了、緑でスタンバイというように。「色がこうなったらこのボタンを押してね」と説明すれば、障害のあるスタッフでも安心して作業に関われます。複雑な画面操作が不要なので、現場でもすぐ覚えられますし、「サインでわかる」というのはうちの現場にすごく合っていました。

ーーーー冷凍技術による事業の広がりはありましたか
飲食店の方々からは「下処理の手間を減らしたい」という声が多いです。たとえばアスパラも、すでにカット済み・加熱済みの状態で納品されると、そのまま使える。人手不足が深刻な今、こうした手間を省ける冷凍素材は重宝されています。
さらに、規格外の野菜も有効活用できます。形が悪かったり、小さすぎたりといった理由で市場に出せない野菜も、加熱やペーストにして冷凍すれば十分に価値がある。実際、かぼちゃやサツマイモのペーストを菓子店やベーカリーに提供しています。
その他にも、帯広名物の「豚丼」をアレンジして、ピンポン玉サイズの「豚丼ボール」に加工しました。こういった地域色のある商品も、冷凍すればイベントや物産展、百貨店催事など、販路が一気に広がります。冷凍メンチカツやコロッケなど、自社製造の冷凍惣菜も少しずつ開発中です。野菜の一次加工から、食品加工へと領域を広げていきたいです。

ーーーー冷凍の導入を通じて、どんな価値が生まれましたか
まずは、今あるものを、大切に使いきるということですね。農産物は、天候や気候に左右され、常に一定の品質・量を確保するのは難しい。でも収穫できたときにすぐ加工して冷凍しておけば安定供給できます。食品ロスの削減にもつながりますし、自然資源を無駄にしないという意味でも、冷凍の力は大きいです。
──今後の展望についてお聞かせください
今年のフローズンサミットでお披露目した赤・黄・紫の3色入りの冷凍カラフルポテトは、ある有名ホテルのビュッフェサラダに採用されました。また、玉ねぎスライスは人気ベーカリーの期間限定商品に。販路が広がってきたのを実感しています。今後は、業務用だけでなく、物産展やギフト向けにも展開していければと思っています。冷凍という手段があるからこそ、地域の味を地域外にも届けられる。これからも、十勝の食材の魅力を全国へ届けてまいります。
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