2026.04.08 導入事例 仕出し・弁当 飲食業 弁当・惣菜 品質向上 新商品開発 計画生産 販路拡大 食品ロス 九州・沖縄

老舗割烹の技を計画生産へ。割烹太喜が実現した、6倍の生産性と高品質を両立する冷凍活用

創業46年、唐揚げと鍋を看板商品として地域に愛されてきた割烹太喜。長年培ってきた味と技術を守りながら、近年では弁当やおせちの需要拡大に対応するため、アートロックフリーザーを導入し、計画生産体制を構築しています。従来の当日仕込みに依存していたオペレーションから脱却し、計画生産による効率化と品質維持を同時に実現。生産量は約6倍に拡大しながら、顧客満足度の向上にもつながっています。導入背景から具体的な活用方法、今後の展望まで、代表の橋本隼様にお話を伺いました。

「お客様の声」がきっかけで始まった冷凍への挑戦

ーーーーアートロックフリーザーを導入されたきっかけを教えてください。

創業から46年、先代の頃から唐揚げと鍋を中心に営業してきました。常連のお客様から「家族に送るための冷凍唐揚げを購入したい」「鍋の雑炊を持ち帰りたい」といった声をいただくことがあり、そうしたニーズに応えるために冷凍商品の開発を検討し始め、急速冷凍機を探すようになりました。

ーーーー冷凍機はどのように選定されましたか。

検討当初は、アートロックフリーザーとアルコール凍結方式の2つが候補にありました。液体式の場合は凍結後にアルコールを拭き取る工程があり、人手の限られた店舗では現実的ではないと感じた一方、アートロックフリーザーは工程がシンプル。品質面も問題なく、汎用性や使い勝手の良さなど、総合的な評価でアートロックを選択しました。

一度に500人前。計画生産で仕込みを最適化

ーーーー現在はどのように活用されていますか。

主に高級弁当(単価は3000〜6000円程度)やおせちの計画生産に活用しています。おひたしや肉料理(牛・豚・鶏・鴨・ジビエなど)は、低温調理まで仕上げた状態で急速冷凍。一度に500人前をまとめて仕込み、盛り込む時に複数のおかずを組み合わせて弁当を完成させます。ストックした料理は約2週間を目安に使い切るサイクルです。

自家農園の高菜を辛子高菜に調理する行程
炒めた辛子高菜を真空して急速冷凍。必要な時に自然解凍で盛り込む

おせちは夏以降、通年で仕入れ可能な食材から順に仕込みを始めます。例えば紅白なますであれば、人参や大根、昆布を刻んで酢と合わせた状態で急速冷凍しておきます。こうした積み重ねによって、繁忙期の負荷を分散できるようになりました。

生産量6倍、早朝作業が無くなり働き方も大きく変化

ーーーー導入後の変化について教えてください。

導入前は、当日仕込みで対応できる弁当は50個が限界でしたが、現在は同じ人員で最大300個まで対応できるようになりました。おせちも、以前は100人前が限界でしたが、今では300人前まで受注可能に。リピーターのお客様も増え、10月には予約を締め切り、キャンセル待ちが出るほどになりました。

ーーーーオペレーション面でも変化はありましたか。

以前は朝5時半から仕込みを始めていましたが、今は8時開始です。調理時間も約2時間短縮できました。早朝出勤がなくなったことで、スタッフの負担は大きく軽減されています。さらに、計画生産によって「どんな注文にも対応できる」という安心感が生まれ、急な大口注文にも柔軟に対応できるようになりました。冷凍しても味が落ちないため、お客様からの評価も高いです。

「盛り込むだけ」の設計で品質を維持

ーーー調理プロセスや解凍方法について教えてください。

基本的には、加熱や味付けまで完了した「盛り込むだけ」の状態で冷凍しています。例えば伊勢海老の黄身焼きは、ボイルやスチームで加熱し、味付けした後に急速冷凍。卵黄ソースを殻に詰めた状態で冷凍することにより、解凍時の水分流出を抑え、しっとりした食感を保つことができます。

解凍方法は、煮物は自然解凍、肉や魚は流水解凍。唐揚げはスチームコンベクションオーブンで温め直して提供しています。また、数の多いものはカップに入れた状態で急速冷凍し、そのまま容器にセット。夏場は保冷剤の役割にもなります。自然解凍にかかる時間も計算し、提供時に最適な状態になるよう逆算して盛り込んでいます。

ーーーーご飯など当日調理のものとのバランスはどうされていますか。

ご飯は精米したてを炊くことにこだわりを持っているため、当日に炊飯します。弁当の約8割は冷凍ストックで構成し、残りを当日調理で補う形です。スタッフは盛り付けに集中できるため、作業効率も大きく向上しました。

冷凍で広がる、全国への挑戦

ーーーー今後の展望について教えてください。

将来的には、おせちの全国販売を実現したいと考えています。その第一歩として、まずは冷凍商品の開発に力を入れており、直近では地元食材と自家製の濃縮だしを使った鍋セットを発売予定です。その後、惣菜、おせちへと展開を広げていきたいと考えています。おせちは現在、店頭で提供していますが、3年後を目処に同じ品質を保ったまま全国に届けられる設計にすることが目標です。ただし、一人で対応できる製造量の限界や、同じ味を再現できる人材育成といった課題もあります。

アートロックフリーザーは、生産性向上にとどまらず、事業の可能性を広げてくれました。今後は冷凍商品の開発と販売を通じて、お客様に喜んでいただける機会をさらに増やしていきたいと考えています。

プロフィール

  • 会社名:TFイノベーション合同会社
  • 代表者:橋本 隼
  • 所在地:大分県国東市
  • 事業内容:「割烹太喜」の運営。弁当・おせちの製造販売
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