2025.03.06 PRESS

デイブレイク、日本からアメリカへの冷凍寿司の海上輸送に成功。保冷・断熱資材の独自研究で約3か月のコールドチェーンを実現

特殊冷凍テクノロジーの製品企画・開発と高品質冷凍商品のプラットフォームを運営するデイブレイク株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:木下昌之)は、アメリカへの冷凍寿司の海上輸送に成功したことをお知らせします。保冷・断熱資材を組み合わせた独自の研究結果により、約3か月間のコールドチェーンを実現。高品質冷凍食品の国際輸送における、大きな一歩を踏み出しました。

コールドチェーン実現に向けたデイブレイクの保冷・断熱資材研究

デイブレイクは、今夏より冷凍寿司の海外輸出に取り組んでおり、特にアメリカ市場への展開に注力しています。2024年11月には「2024 JAPANESE FOOD EXPO」に出展し、現地の飲食・小売店関係者や消費者から予想を上回る高い評価を獲得(※)。展示会や現地商談を通じて、冷凍寿司がアメリカ市場で好意的に受け入れられる可能性を実感したことから、デイブレイクでは冷凍寿司の品質を維持しながら確実に届けるためのコールドチェーンの研究を一層進めてまいりました。

アメリカへの海上輸送には、およそ1~2か月の期間を要します。輸送船内では-25℃の冷凍環境で保管されるものの、港までの輸送、港到着後の倉庫への搬送、さらに倉庫から店舗への配送はトラックによる陸上輸送が行われます。各移送の過程で外気に触れる機会が生じるため、温度上昇のリスクがあり、これまでコールドチェーンの維持は困難とされていました。デイブレイクでは、それらの環境下でもコールドチェーンを実現するため、保冷効果のある段ボールや高性能断熱資材を収集し、あらゆる組み合わせで温度変化を検証。長期間の温度維持を実現する最適な組み合わせを研究しました。

(※)アメリカ・ニューヨークとロサンゼルスで開催された「2024 JAPANESE FOOD EXPO」で冷凍寿司3000個を提供

温度ロガーを使用したコールドチェーンの実証

試行錯誤の末、保冷機能を備えた段ボールと断熱資材の組み合わせた候補A~Cと、保冷環境でない一般的な段ボールの4つ環境で海上輸送を実施。段ボールの外側と内側に温度ロガーを貼付し、30分おきの温度変化を計測しました。各環境での温度変化の総評を表した図が表1です。

表1:日本-北米間の海上輸送中の温度変化比較

検証結果によると、保冷環境Aでは、段ボールの外側の温度が最高17℃に達したにもかかわらず、段ボール内部の温度は最高-3.75℃を維持。一方、他の環境ではすべて最高温度が氷点下を超えていました。さらに、冷凍食品の品質劣化が進みやすいとされる-10℃以上の温度を記録した回数は、総計測回数4,864回のうちわずか4回(0.08%)でした。事前に行った検証で、保冷環境Aでは-10℃を上回っても3時間以上寿司の芯温が-10℃を上回らないことを確認しており、4回の計測でれば品質は保たれていると言えます。これらの検証結果より、保冷環境Aの組み合わせは、約3か月間にわたり氷点下を維持し、アメリカ到着後も高品質な冷凍寿司を提供できる環境であることが実証されました。

また、表2は、検証時に用いた輸送方法と、それに伴う温度上昇リスクを示した一覧です。

表2:日本‐北米間の海上輸送工程

海上輸送に加え、トラックによる陸上輸送が3回行われており、移管時の外気接触や扉の開閉など、複数の温度上昇リスクが存在することが分かります。このような厳しい輸送環境下においても、保冷環境Aはコールドチェーンを維持することに成功しました。これは、段ボールと断熱材の組み合わせによる優れた保冷効果が発揮された結果といえます。

店舗到着時の現地での評価

上の写真は、製造元出荷時と店舗到着時の冷凍寿司の状態です。製造元での出荷時と店舗到着時の冷凍寿司の状態を比較したところ、保冷環境Aで輸送した製品には輸送中の状態変化が見られず、出荷時の品質が維持されていることが確認されました。店舗責任者からも「見た目・味ともに良質」との評価を得ており、高品質な冷凍寿司の提供が実現できたことが証明されました。

デイブレイクは、今回の成功を受け、今後さらに海外輸出の展開を加速させるとともに、コールドチェーン技術のさらなる発展を目指し、継続的な研究・開発を進めてまいります。