2026.08.16 導入事例 食品加工製造業 洋菓子・和菓子 品質向上 計画生産 販路拡大 北海道

地域に親しまれる老舗洋菓子店、アートロックフリーザーで凍結時間を半減し、冷凍の可能性をさらに広げる

北海道札幌市で地域に愛され続ける菓子店「パールモンドール」。デコレーションケーキからマドレーヌやパウンドケーキなどの焼き菓子まで、幅広い洋菓子を手がけています。同店では以前から冷凍を活用していましたが、従来使用してきた冷凍機の老朽化により、凍結時間や作業環境に課題を抱えていました。そこで2026年、アートロックフリーザーを導入。凍結時間を従来から半減させたほか、品質向上や計画生産にも活用しています。取締役の下出昌弘様と下出依瑞美様に、活用内容や今後の展望をお話をお聞きしました。

老朽化した冷凍機を刷新。凍結時間と作業環境の課題を解消

ーーーーアートロックフリーザーを導入した背景を教えてください。

以前から冷凍は活用していましたが、凍結時間の短縮と、冷凍の活用方法をさらに広げるためにアートロックフリーザーを導入しました。デイブレイクさん主催の試食会で冷凍・解凍した生魚やケーキ類を実際に試食した際に、冷凍したとは思えない美味しさに驚いたことも、決め手の一つです。

従来使っていた冷凍機は長年使っていたこともあり、冷えが悪くなっていました。また、室外機がなく、機械の上部にコンプレッサーがあるタイプだったため、稼働すると加工場が暑くなり、その影響でさらに冷えにくくなる状態でした。アートロックフリーザーを導入してからは、凍結スピードが上がり、加工場の温度環境も改善。凍結時間と労働環境という両方の課題を解消できたと思います。

焼き菓子は約10分で凍結。計画生産を支える冷凍ストック

ーーーー現在はどのような商品に活用されていますか

主にマドレーヌやパウンドケーキ、フィナンシェなどの焼き菓子を冷凍しています。例えばマドレーヌは、粗熱を取ってから入れれば10分程度、温かい状態からでも20分ほどで凍結できます。以前の冷凍機と比べると、凍結時間は約半分になりました。焼き菓子は、あらかじめまとめて製造して冷凍ストックしておき、店頭の売れ行きを見ながら必要な分を出していく、計画生産の体制を取っています。また、プリンを冷ます際には、予冷の温度帯を活用。必要以上に温度を下げすぎないようにしながら、冷却工程の一つとして使っています。

創業当時から続く「サバラン」も冷凍で計画生産

ロングセラー商品の、ブリオッシュを洋酒シロップに浸した「サバラン」にも活用しています。ブリオッシュをあらかじめ冷凍してストックしておき、その日の販売分だけ解凍。ラム酒入りのシロップに浸して、最終的な商品に仕上げています。冷凍の加工作業は2週間に1回程度まとめて行っており、大口の注文が入った場合には、注文に合わせてまとめて製造することもあります。「必要なときに必要な分だけ仕上げる」という仕組みをつくることで、製造の平準化にもつながりました。

冷凍技術とスチコン焼成によって「マドレーヌがおいしくなった」

ーーーー冷凍後の品質はいかがですか。

ラショナルのスチームコンベクションオーブン「iCombi」で焼いたマドレーヌをアートロックフリーザーで冷凍すると、以前よりもしっとりして食感が軽やかになり、おいしくなった印象があります。焼き菓子には、スチコンを使うものと、一般的なオーブンを使うものがあります。マカロンやダックワーズのような卵白を使ったお菓子も、スチコンを使うことで、ふんわりと優しい食感に仕上がるようになりました。

マカロンは、焼き上げた後にクリームをサンドし、少し寝かせてから冷凍します。これは単純に熱を取るという意味ではなく、生地とクリームをなじませる工程です。焼き上げた直後の生地は少し硬く、クリームを挟んで時間を置くことで、クリームの水分を生地が吸い、しっとりとした食感になります。マカロンは主力商品ではありませんが、プレゼントにも向いている人気の商品です。

冷凍だからこそ、遠方のお客様にも「店の味」を届けたい

ーーーー今後の展開について教えてください。

現在オンラインショップでは、焼き菓子の詰め合わせなどを冷蔵便で配送していますが、今後は冷凍商品にも展開を広げていきたいと考えています。例えば、チーズケーキなど、これまで冷凍していなかった商品にも挑戦してみたいです。「これを目当てに買ってもらえる」というような商品があるといいなと思います。ケーキ類は、私たちのお店の売りの一つですが、近くに住んでいる方にしか食べてもらえません。冷凍を活用することで、その距離を越えて、もっと多くの方に届けられる可能性があります。

キャプション:オンラインショップ(https://www.pearlmontdore.shop/

冷凍技術を活用した新しい販売方法も考えています。例えば、クッキーの生地を冷凍して販売し、ご家庭でカットして焼いてもらう商品。専門店の生地を使って、自宅で焼きたてのお菓子を楽しんでもらう。そういう「体験を売る」形も面白いと思います。スポンジケーキも、自宅で一から焼くのはハードルが高いですが、ベースとなるスポンジを冷凍で販売すれば、ご家庭でもケーキづくりを楽しんでもらえるかもしれません。

冷凍の性能が特に活かせるのは、生菓子の分野だと思います。チーズケーキや生クリームを使った商品などにも活用できれば、店舗で販売する商品の計画生産の分野でも、製造効率をさらに高められると期待しています。

冷凍を「保存」から「新しい商品づくり」へ

アートロックフリーザーの導入によって、凍結時間の短縮や作業環境の改善、焼き菓子の品質向上、計画生産など、日々の製造現場にさまざまな変化が生まれました。一方で、当社にとって冷凍の可能性は、まだこれから広がっていく段階です。遠方のお客様に商品を届けることや、新しい商品を生み出すこと、さらには「つくる楽しさ」まで届けること。長年培ってきた洋菓子づくりの技術に特殊冷凍を掛け合わせながら、パールモンドールのおいしさをより多くの人へ届ける取り組みを続けていきたいと思います。

プロフィール

  • 会社名:株式会社パールモンドール
  • 代表者:代表取締役 下出英世
  • 所在地:北海道札幌市
  • 事業概要:洋菓子の製造・販売
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